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箱豆腐
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非公開
自己紹介:
病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

備考:最近ようやく世間慣れしはじめました。

早く大人になりたい一方子供で居たい矛盾で構成されてる。

内向的なので交友関係が狭く浅い。

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「坂上君は、クリスマスが何の日かご存知ですか?」


寒い寒い通学路を、彼と歩く。
でも、貴方となら、そんな寒い家路も長く続けばいいのにと思ってしまうんです。

クリスマスが何の日か?荒井さんが訊いてきた。


無い頭を絞りながら、僕は答える。



「えっと、イエス・キリストの誕生日ですよね」
「一般的にはそうですね。でもキリスト教の人達は、厳密に言えば誕生祭としているわけではないそうです。」


荒井さんは物知りだ。僕の知らないことが、荒井さんと居るとたくさん出てくる。
僕も新聞部の活動でいろんな知識を集めたりするけど、荒井さんには敵わない。
まさに目から鱗状態だ。
「イエス・キリストの誕生日というのは諸説ありますが、12月でないのは確かだそうです。クリスマスという祭事は、一説によるとローマの農耕神サトゥルヌスの祝祭であったらしいですよ。」
「そうだったんですか…」

僕はこんな在り来りな感想しか言えない。
もっと気の利いた言葉が言えればよかったのに。
「身近なイベントも、由来を知ると違った楽しみ方が出来ますよね」
「でも結局、そんな由来を知らずにいる人の方が多いと思いますよ?こんなこと、好き好んで調べる以外、知る機会もないですからね」


最初会ったときと比べて、僕たちは大分仲が良くなったと思う。
風間さんはいつも「あんな根暗の何処が良いんだい?」と訊いてくるけど、そこまで暗い訳でもない気がする。

暗くない訳じゃないし、明るい人だという訳じゃない。でも僕は、荒井さんと話すのが、一緒に居るのが楽しい。
それに、僕と話をしている荒井さんはとても楽しげだ、と日野先輩も言っていた。

僕と一緒に居て、荒井さんが楽しいとか、幸せだとか、そういう風に思ってくれるなら、僕は荒井さんの傍に居たい。

「…坂上君?」

「え?あ、はい」

「どうかしましたか?」


僕ったら、考え事に夢中で荒井さんが呼んでいたのに気がつかなかったみたいだ。申し訳ない…。
「すみません荒井さん。少しぼーっとしてたみたいで…」
「あんまり呆けていると転んでしまいますよ。今日は道が凍ってますから」
…あ、笑った。
本当に微かにだけど、確かに荒井さんは僕に笑いかけてくれた。
嬉しいな、と密かに思う。
「坂上君。」
「はい」
「少し、寄りたい所があるのですが…構いませんか?」
「いいですよ。」
僕たちは進路を変えて二人並んで歩く。
白い吐息が、空気に混ざって消えた。
狭い一本道を抜けて、辿り着いた先には古い教会があった。
もう使われてない事は、壁に絡みついた蔓を見れば一目瞭然で、今にも崩れてきそうな教会の中を、荒井さんはなんの躊躇いもなく歩いていく。
何も話せない。ピンと張りつめた空気が僕の口を閉ざさせている。
ここにある音は、老朽化した床の軋む音だけ。
「ここです」
荒井さんの声にハッとして辺りを見回すと、そこは礼拝堂だった。
ステンドグラスの前に飾られた十字架が僕らを見下ろす。
その光景は、その古さもあいまって、荘厳な雰囲気を醸し出していた。
「…こんな所があったんですね」
「去年散歩をしているときに偶然見つけましてね。最初ここに来た時は言葉も出ませんでしたよ。」
そうなるのもわかる。ここの空気はなんというか…静謐とさせる何かがある。
僕がステンドグラスを眺めていると、荒井さんは突然切り出した。
「坂上君」
荒井さんが呼んでいた。いつの間にか荒井さんは僕の横で、同じようにステンドグラスを眺めている。
「先程、クリスマスの話をしましたよね」
「は、はい」
「日本でクリスマスといえばクリスマス商戦、という感じに各国でもクリスマスの過ごし方は多かれ少なかれ違いがあります。」
荒井さんはゆっくりと僕の方を向く。
僕も、荒井さんの方に顔を向けた。
「キリスト教圏では、プレゼントを贈る気持ちである『愛』の日とされているんだそうです」
「愛…」
そう言って、荒井さんは小さい袋を取り出す。
荒井さんは僕の掌に袋を乗せると、開けてくださいと言った。
緊張して落とさないように慎重に、ゆっくり開けて中身を出す。
掌に滑り落ちてきたのは、指輪だった。
路上で売ってるような、可愛らしい指輪だ。
「荒井さん…これ…」

「好きです。坂上君」
受け取って、くれますか?と荒井さんが問いかけてくる。
僕の目からは、温かいものが溢れてくる。
…あぁ、そうか。
僕、荒井さんの事…
「坂上君?…泣いてるんですか?…嫌ですよね、同性に告白されるなんて…」
「違…違います…っ!僕…ぼく…っ!!」
嬉しくて、嬉しくて、
貴方への想いが止まらない。
「僕も…荒井さんの事…大好きです…!」
教壇の上に飾られた聖母像が、微笑んでいたような気がした。
荒井君美化しずぎな黒野さんが通りますよっと。
書いてる途中坂荒でも良いじゃんと思った朱鷺も通りますよっと。
クリスマスちょい遅れでメリークリスマス!まさかの学怖で荒坂だよ!
教会ネタとお手手つなぎはガチで冬ネタ。これは譲 ら な い
荒坂の夢を見たんだ。
なんか荒井君と坂上君が殺人クラブに追いかけられて日野様(笑)と岩下さんのセットは切り抜けたんだけど何故か細田さんに殺されるんwww
選択肢間違えてやんの\(^0^)/
2009/12/26 黒野朱鷺
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「チョコレートフォンデュの罰ゲームって知ってるかい?」


突然、スピがそんなことを言い出した。
俺は今、スピの住むマンションに居る。
今日は、ATの練習に付き合うって言われて家にまで来たんだ。


「んなの、知るわけねーじゃん。」


そもそも、こんなもの食べたこともねーんだ。知りようもないだろ?
そんなことを言うと、スピはいつものように語り始めた。


「欧米では、チョコレートフォンデュの鍋にマシュマロを落とした人に罰ゲームがあるんだ。」

「ふーん。」


スピは物知りだ。俺の知らないことを沢山知ってる。
それは、思わず感心してしまうのもあったし、どうでも良いのもあった。


「やってみたいと思わないかい?」

「何を」

「この罰ゲームを賭けた、ゲームだよ。同時にマシュマロをチョコに浸けて、
初に落ちた方の負け。」

「へー。面白そうじゃん。いいぜ。」

「きまりだね。」


早速、マシュマロをピックに刺す。
…イチゴやバナナはわかっけど、マシュマロなんか落とすか?


「カズ君」

「ん?」

「     」


マシュマロをチョコの海に浸らせていると、スピがテーブルから身を乗りだし、耳元で囁いてきた。
なんかとんでもねー言葉だった気がする。


「なっ…なっ…!」

「カズ君、落としたよ。」

「な…なんだ…え?」


落としたよ、という言葉に、恐る恐る鍋の中を覗く。
ドロドロのチョコの中に、白いマシュマロが沈んでいた。
驚いてピックを鍋から出したとき、マシュマロを鍋の縁に引っ掛けちまったんだ!


「いや、これは、事故で…っ大体!スピがあんなことするから」

「僕はただカズ君に耳打ちしただけだよ。妨害を禁止した覚えはないしね。」

「ちっくしょー…」


確かに、ルールを確かめなかった俺にも非はあるかもしんねーけどさ。
…なんっか腑に落ちねー。
でも此処でそれを言ったとこで、また言いくるめられちまうだろーなー。スピはそういう奴だから。


「たくっ!…わかったよ。」

「カズ君は素直だね。」


よくもまぁいけしゃあしゃあと。


「で?罰ゲームって何やるんだ?」

「そうだな…じゃあ、カズ君からキスしてくれるかな?」

「え…いやいやいや、それは無理だって。」

「無理かな?」

「無理だっ!」


今までだって片手で数えられるくらいしかしたことないのに!無茶だ!


「だってカズ君、こうでもしなきゃ自分からキスしてくれないだろ?」

「うっ…!」

「それとも、カズ君は僕が嫌い?」

「そ、そんなことねーけど…」

「僕だけ、だなんてフェアじゃない。」


そう言って、スピは笑う。
笑顔は、男の俺でも惚れ惚れするくらい綺麗だった。
テーブルを挟んで、触れるだけのキスをする。
多分、俺の顔は、皿に盛られたイチゴみてぇに赤くなってんだろうな、と思った。


「…よかった。嫌われてないみたいで。」

「好きでもない相手とキスするわけねーだろ。」

「ふふっ、そうだね。」



きっと、どんな勝負でも、俺はスピには勝てないんだと思う。

--------------------
オフ友に捧げる。ほのぼの?いいえ、ゲロ甘です。
スピカズなんて書いたの生まれて初めてだわ。どうしましょう。正直、スマンカッタ。
カズ君可愛いですよね。おねいさんそういう子大好き←
スピさんはこういう豆知識沢山知ってそう。イメージ的に。

友人よ、キリリク(?)ありがとう!



2009/05/26 黒野朱鷺
「隆也は温かいな。」



明かりの無い部屋で、高瀬は言った。

「…熱があるからじゃないですか?」




「まぁ、そうなんだけどさ。」
ぬくいぬくい、と高瀬は阿部の頭を撫でた。
冬の寒さが2人の顔を刺す。
「…綺麗っすね、星。」
「そうだな。」
窓辺から見上げた星空は、冬の澄んだ空気と新月の影響で美しく演出されていた。
「準太さん…。」
「ん?」
「今日は…すいません。折角来てくれたのに…。」
「謝んなよ。俺が勝手に来たんだから。」
高瀬は今日、阿部の誕生日を祝う為阿部の家に訪れた。
しかし阿部は風邪を引いていて、お祝いどころでは無くなってしまったのだ。
阿部の家には誰も居らず、風邪で寝ている阿部を一人にしておくのを心配に思った高瀬は、阿部の家に泊まり込みで看病する事にしたのだ。
「でも、本当に平気なんすよ?もう熱も下がりかけてたし。」
「風邪は治りかけが肝心だって言うだろ?油断は禁物。」
窓開けて言う台詞じゃないけどな。と高瀬は胡座で毛布を羽織って阿部を膝の上に座らせ、毛布の中に入れる。

「隆也は温かいな。」
「またですか?」
阿部はクスクスと笑い、高瀬に寄りかかる。
「だって本当だし。」
高瀬も阿部を後ろから抱きしめた。
「隆也が温かいのは、生きてる証拠だ。心臓が動いて、体中を血が巡っている。隆也がここに居て、生きてるんだって、安心できる。」
「…準太さんも生きてますよ。」

阿部は高瀬の胸に耳を当て目を閉じる。
阿部の耳に、一定感覚の鼓動が感じられた。
「隆也」
「?」
「誕生日おめでとう。これからもよろしく」
「…はい。」
阿部は柔らかな笑みを浮かべ、返事をする。高瀬は阿部の唇に触れるだけのキスをした。
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都合良く親と弟が居ない阿部家。おっとこれはぁぁ。
日時的には「家族出掛ける→べべ風邪引く→準太来る」になります。だから別に風邪引いてるべべを置いていったわけじゃないです。風邪は風邪でも風邪気味だからね。屁理屈っ!説明が要る文は小説って呼ばないんだからっ!
そして同時進行で榛阿暗め血物を打ってる辺りが私的榛阿と準阿の違い。具体的には
榛阿=バイオレンス
準阿=ほのぼの
です。
2007/12/11黒野朱鷺

「タカヤ」

俺はタカヤの名を呟いた。
タカヤの瞳には恐怖の感情が滲み出ている。

「なんて顔してんだよ。」

タカヤの頬に触れる。タカヤの体は、ビクンッと跳ねた。

「タカヤ。」
「も…とき…さ…っ…。」
「笑えよ、タカヤ。」

俺が触れたタカヤの頬は赤くなる。
赤い血がべっとりとついて、タカヤが汚れてしまった。
拭き取ろうと拭っても拭っても、血は広がっていって、キリがない。

「お前が言ってた奴は、もういないんだぜ?」
「ちが…!俺は…そんなこと…っ!!」

タカヤの目の下にははっきりとした隈。きっと連日の無言電話で寝れなかったのだろう。
可哀想なタカヤ。
でも、もう大丈夫だ。俺が助けてやったから。
だから、そんな顔して泣くなよ。
自分を責めるような、俺に申し訳なく思っている様な顔、するな。

「タカヤ…泣くなよタカヤ。タカヤ、タカヤタカヤタカヤタカヤたかやたかやたかやたかやたかやたかや…!」
「ごめん…なさ…っ…ごめんなさい元希さん…っ…!」

タカヤが俺を抱きしめる。
温かなタカヤの温度が俺の体に染み渡る。
血濡れたシャツが、またタカヤを汚してしまうなと頭の隅で思った。

このナイフは、もう使い物にならないだろう。赤色に染まったナイフは俺の手から滑り落ちた。

「タカヤ…。」
「元希さん…。」

隆也が俺の胸から顔を上げる。

「死体、埋めに行きましょうか。」
「……タカヤ、お前…。」
「元希さんだけに任せておけません。」

タカヤの瞳から、恐怖が消えた。
代わりに、タカヤの瞳には決意の様な光が宿る。

「これは、2人だけの秘密ですよ。」

タカヤの口から紡がれたその言葉は、俺とタカヤを繋ぐ鎖になって、俺を喜びに打ち震えさせた。









俺はきっと死ぬまで人殺しで居るしかないんだろうけど、
それでタカヤが傍に居てくれるなら、タカヤを縛りつけておけるなら、

俺にはなんの後悔も、無い。



2007/12/13黒野朱鷺
なんでまぁこの人は他人の家で意図も簡単に寝れるのか。しかも俺のベッドで。
気を利かせて飲み物を持っていこうと持ってきたグラスは、一瞬で意味を無くしてしまった。


「…はぁ。」

俺は盛大にため息を吐き、持ってきたグラスをテーブルの上に置く。そして元希さんの傍に座った。
静かな部屋に、元希さんの寝息だけが響く。
ふと元希さんを見たら、毛布が掛かってないことに気がついた。そりゃそうだ。毛布は元希さんの下敷きになってるんだから。

「…肩冷やしますよ。」

小声で言ってみたが、勿論反応は無い。
俺はもう一枚毛布を持ってこようと、ベッドの傍から立ち上がった。

「…タ…カヤ…。」
「っ!?」

いきなり呼ばれた名前に驚き、振り向く。でも元希さんが起きた気配は全く無かった。

「…寝言、か。」

元希さんはまた規則正しい寝息をたて、ぐっすりと眠っている。
…しかも少し笑っていた。

「…どんな夢みてんだよアンタ…。」

それでも、元希さんの見る夢の中に俺が居るのは、少し嬉しかった。

「って、そんなことより毛布だ。」

あんな思いに耽っているうちに、最初の目的を忘れそうになる。
肩冷やして投球に影響したら大変だもんな。
俺は階下の押入れから毛布を引っ張り出そうと、自分の部屋を出た。








部屋に戻ると、元希さんがまた寝言を呟いていた。

「…タカ…ヤ。」
「…。」
「タカヤ…。」
「……。」
「タ…カヤ…。」
「………。」
「タカ…ヤ…。」
「…………。」
「タカヤ…。」

何度も俺を呼ぶから、煩くてしょうがない。
本当、一体どんな夢見てるんだよっ。
このままだと永久に呼んでそうだから、試しに元希さんの傍に寄って、その声に答えてやった。

「なんですか、元希さん。」
「ん…。」

急に体がバランスを崩す。そしてそのまま元希さんの腹の上に倒れこんだ。
恐る恐る元希さんの顔を見ると

「作戦成功」

悪戯を成功させた子供のような笑みを、浮かべていた。



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隆也は軽いから腹の上に倒れこんでも平気なんだよ!多分。
ちっとも自重しなくてごめんなさい。

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