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箱豆腐
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非公開
自己紹介:
病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

備考:最近ようやく世間慣れしはじめました。

早く大人になりたい一方子供で居たい矛盾で構成されてる。

内向的なので交友関係が狭く浅い。

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「チョコレートフォンデュの罰ゲームって知ってるかい?」


突然、スピがそんなことを言い出した。
俺は今、スピの住むマンションに居る。
今日は、ATの練習に付き合うって言われて家にまで来たんだ。


「んなの、知るわけねーじゃん。」


そもそも、こんなもの食べたこともねーんだ。知りようもないだろ?
そんなことを言うと、スピはいつものように語り始めた。


「欧米では、チョコレートフォンデュの鍋にマシュマロを落とした人に罰ゲームがあるんだ。」

「ふーん。」


スピは物知りだ。俺の知らないことを沢山知ってる。
それは、思わず感心してしまうのもあったし、どうでも良いのもあった。


「やってみたいと思わないかい?」

「何を」

「この罰ゲームを賭けた、ゲームだよ。同時にマシュマロをチョコに浸けて、
初に落ちた方の負け。」

「へー。面白そうじゃん。いいぜ。」

「きまりだね。」


早速、マシュマロをピックに刺す。
…イチゴやバナナはわかっけど、マシュマロなんか落とすか?


「カズ君」

「ん?」

「     」


マシュマロをチョコの海に浸らせていると、スピがテーブルから身を乗りだし、耳元で囁いてきた。
なんかとんでもねー言葉だった気がする。


「なっ…なっ…!」

「カズ君、落としたよ。」

「な…なんだ…え?」


落としたよ、という言葉に、恐る恐る鍋の中を覗く。
ドロドロのチョコの中に、白いマシュマロが沈んでいた。
驚いてピックを鍋から出したとき、マシュマロを鍋の縁に引っ掛けちまったんだ!


「いや、これは、事故で…っ大体!スピがあんなことするから」

「僕はただカズ君に耳打ちしただけだよ。妨害を禁止した覚えはないしね。」

「ちっくしょー…」


確かに、ルールを確かめなかった俺にも非はあるかもしんねーけどさ。
…なんっか腑に落ちねー。
でも此処でそれを言ったとこで、また言いくるめられちまうだろーなー。スピはそういう奴だから。


「たくっ!…わかったよ。」

「カズ君は素直だね。」


よくもまぁいけしゃあしゃあと。


「で?罰ゲームって何やるんだ?」

「そうだな…じゃあ、カズ君からキスしてくれるかな?」

「え…いやいやいや、それは無理だって。」

「無理かな?」

「無理だっ!」


今までだって片手で数えられるくらいしかしたことないのに!無茶だ!


「だってカズ君、こうでもしなきゃ自分からキスしてくれないだろ?」

「うっ…!」

「それとも、カズ君は僕が嫌い?」

「そ、そんなことねーけど…」

「僕だけ、だなんてフェアじゃない。」


そう言って、スピは笑う。
笑顔は、男の俺でも惚れ惚れするくらい綺麗だった。
テーブルを挟んで、触れるだけのキスをする。
多分、俺の顔は、皿に盛られたイチゴみてぇに赤くなってんだろうな、と思った。


「…よかった。嫌われてないみたいで。」

「好きでもない相手とキスするわけねーだろ。」

「ふふっ、そうだね。」



きっと、どんな勝負でも、俺はスピには勝てないんだと思う。

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オフ友に捧げる。ほのぼの?いいえ、ゲロ甘です。
スピカズなんて書いたの生まれて初めてだわ。どうしましょう。正直、スマンカッタ。
カズ君可愛いですよね。おねいさんそういう子大好き←
スピさんはこういう豆知識沢山知ってそう。イメージ的に。

友人よ、キリリク(?)ありがとう!



2009/05/26 黒野朱鷺
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