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箱豆腐
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非公開
自己紹介:
病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

備考:最近ようやく世間慣れしはじめました。

早く大人になりたい一方子供で居たい矛盾で構成されてる。

内向的なので交友関係が狭く浅い。

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台詞のみ短編集



おまけ壱屋上編

「綾は昔駄菓子屋に通ってたんだよ。」
「へぇ。」
「いつもあんパン買ってたんだ。」
「俺もあんパン好きだぜ。」
「で、なんで毎日あんパン買ってるのか訊いたの。」
「んで?」
「アソ〇ソマソに会いたいからだって。」
「…………。」




「あれ?淳は?」
「パン工場に闇討ちしに」


綾の望みは全部叶えたい淳




おまけ弐登校編

「あ、希ちゃん寝癖」
「ん~…なかなか直らなくてさ。」
「じゃあ私のピンあげるね。いっぱいあるから。」
「ありがとう綾。」




「あれ?希ちゃんピンは?」
「あ…うん。その…。」


淳に譲ってくださいとか言われたとは言えない。




おまけ参お昼寝編

「すぴー…くー…。」
「ふふ…綾ってば可愛い…。」

パシャッパシャッ


「アルバムの内容が充実していくな。」
「どうでもいいけど充実していく=ストーカーに近づく、だからね淳。」


淳の場合無意識だから質が悪い。




おまけ四ジャックランタン編

「ハロウィンって楽しいね淳。」
「(魔女コス可愛い…!)まぁ子供向けイベントだからな。」
「子供扱い無しだよ淳~…。」
「あいあい分かりましたよ魔女っ子さん。あんまり可愛いと…狼さんが食べ―――」
パンパンッ!



「あっははは。やっばいなーこれ、実弾入ってたよ。あっははははは。」
「の、希ちゃん!なんで猟師の格好を…?」


だって狼見てると討ち取りたくなるんだもの。




おまけ伍.壱夏休みプール編

「綾遅いな」
「まさか…誰かに襲われt「そんな反応はないから平気だろ。」
「淳って偶に気持ち悪いよね。」
「希も偶にマジで怖いぞ。こないだ綾を邪な目で見てた不良、未だに目を覚まさないんだとよ。」
「ドブに捨てといたのに…チッ」
「(カマかけだったのに…やっぱりコイツ始末したのか…。)」



「あの人かっこいいー…。」
「隣の子も良いわよね~…。」

「二人の周り…目立つから行きたくないよ~…ふぇぇ…。」


視覚的には美形だが中身が伴っているとは限らない。




おまけ六夏休み宿題編

「此処をχとして…うんそう…それで…。」
「あぁ判った!!有り難う希ちゃん!」
「綾は飲み込みが早いから教えやすいね。」
「のーぞーむー…お前の名前って希望の希だよな?」
「何年の付き合いだよ…そうだよ。てか何書いてるの淳は。」
「あ、それ作文だよね。物語書くか先生の出した事柄についての論文か選ぶやつ。」
「あぁ、俺は物語にしようと思ってな。ほら、ファンタジー系ホラーガンアクションミステリー。」
「はぁ。ちょっと見せて………………………………………………………………………………。」

バンッ


「ナニコレ?」
「だから、ファンタジーk「くどい。そうじゃなくて、なんで僕が綾に嫌われてる役なのっ!!?」
「何を言うか、最終的には同情のキスがある役だぞ。羨ましい。」
「ちょっとは自重したら!?そんなの嬉しくないよ!!」
「わ、私ちゃんと希ちゃんが好きだよ?」
「僕もだよ綾。それより淳!こらっ淳っ!!!原稿用紙と筆記具持って逃げるなこの野郎ーーー!!!!」


愛と欲望の賜物。




おまけ七飴玉編

「綾って確かキャンディー好きだよね、はいあげる。」
「あぅ…ごめん希ちゃん、この間いっぱい貰っちゃったから…。」
「どのくらい?」
「段ボール一箱」
「淳の仕業か…。」


こういうこと=淳の図式




おまけ八手品編

「ん~ん~…。」
「……………………………。」
「……………………………。」
「わかんないよ~…どうしとどっちにも入ってないの????」




「「(真面目に考える綾可愛いっ!!!!)」」


綾の可愛さポイントは同じ。




おまけ九淳と未来編

「あ…あのね、淳。そ、その…」
「?どうした綾。」
「あ…あ…。」
「…あ?」
「あ…あ、赤ちゃん…出来た…かも…。」


…………………………………………ガシャン!!!

「あぁ!お茶碗がっ!」
「ほっ本当かっ!?本当に赤ん坊がっ!!?えぇっとこんな時は確か清潔なタオルを…!」
「それは出産だよっ!!」
「そっそうか。じ、じゃあ温かいお湯を!!」
「それも出産だよ…。」


混乱しすぎてあまり頼りにならない。




おまけ十希と未来編

「綾のお腹、大きくなったね。」
「もう直ぐ臨月だもん。あーぁ早く生まれないかなぁ…。あ、今動いたかも。」
「本当?聞かせて………。」


『ママだーいすき…おおきくなったらママのおむこさんになるんだぁ…あはは…。』

「………ん…?」
「どうしたの?聞こえなかった?」
「ん…いや…聞こえた…よ。」
「そっか。」
「(綾には悪いけど…今すんごくこの赤ん坊絞め殺したくなった…。)」


蛙の子は蛙になります。






終わりー!



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何故気づけなかったんだろう。

何故自分を抑えられなかったんだろう。

何故友の声に耳を傾けられなかったんだろう。

三人、胸に抱くは後悔の念。

三巴した後悔は、終わりに何を残せるというのか…………?

















ある病院の一室
一人の青年が窓を見つめていた。
何かに思いを馳せるように…―

「………淳。」
「………よぅ希、元気か?」
「それはこっちの台詞だよ。」

ノックも無しに病室に入ってきた青年は、顔つきこそ女性のようだが歴とした男性の姿をしていた。
花瓶に生けてあった枯れた花を捨て花瓶に水を入れる。

「…痛くない?」
「死ぬほど痛い。」
「………そう。そんなに痛くないみたいだね。」

ベッドに座る淳の軽口に希は呆れたように笑う。
自分の持ってきた花を生け、包装紙を捨てた。

「………訴えないんだ。僕のこと。」
「この喧嘩は両成敗だろ。俺もお前も悪い。」
「まぁね。」

淳は自らの怪我を希ではなく強盗の仕業として被害届けを出した。
希にはなんのお咎めも無しだ。
少しの世間話の後、淳は本題を切り出す。

「……………綾は、どうだ。」
「………………落ち着いて聞ける?」
「……あぁ。」

本題とは、淳と希の諍いを目撃した綾の事だ。
綾は諍いを目撃したショックで気絶し、昨日まで意識が無かったのだ。
淳と同じ病院に搬送されたのだが、淳は今医者から絶対安静の通告を受けており出歩けなかった。だから希からの報告が、綾の現状を知る手がかりだったのだ。

「……綾…さ、記憶無くしちゃったみたいで、僕らのこと全く覚えていなかった。医者に言わせれば忘れたいことを忘れているんだとか。」
「………その方が楽だもんな。」
「一応、今までの学習は記憶してた。要は…」
「………俺らのこと、忘れたいことだったんだな…。」
「……うん…。」

希が寂しそうに肯定する。
何よりも友情を大切にする綾だから、友人二人を失ったショックは大きい。

「希は…綾と話したか?」
「まさか、出来ないよそんな事。僕も綾を傷つけたんだし…そんな資格無い。……でもね…綾…笑ってた。家族に囲まれて…何も知らない純粋な子供みたいに…笑っていたんだ。」

だから、辛くはないよと希は笑った。

「希…俺さ………」









「綾に告白しようと思う。」

淳は、希に刺されたとき言いかけていた言葉を言った。
一瞬の沈黙の後、希は淳に笑顔を向ける。目は怒気を滲ませていた。

「……………へぇ。凄いじゃない。あれだけのことした責任?」
「あぁ…。」

責めるような声音が淳に向かう。
それはすべてを凍らせるような凄まじい怒気だった。
しかし淳は怯まずに続ける。

「自分でも身勝手だと思う。あれだけ酷いことをして、どこかで許されようとしている。でもその分の責任は取りたいし何より…好きだから。俺、もう綾とは友達に戻れない。無理なんだよ。だから俺は、綾に告白しようと思う。」

その時、希の脳内であの時の場面が再生された。

あの時の淳はどんな顔をしていたっけ
こんな苦しそうな、辛そうな、悔しそうな顔をして…
そうだ、あの時淳は自分の腕に爪立ててなかったか?
あれは確か…そう、淳が昔自分のせいで母親が死んだと話した時にやっていた癖。自分を責めているとき無意識にやる癖みたいなやつだ。
自責の念から来る自己を罰する行為、自傷行為。

何より、僕はこの発言を聞いていた筈なんだ。今更になって脳が認識する。
しっかりとした声で―――こくはくすると。

あ、そうだよ。淳ってこんな奴だ。
やってる最中はドライヴァーズハイになって変に狂ってるのに、終わったら激しく後悔するような………単純馬鹿。
そのくせ責任感は強くて強くて…


そんな淳が、僕は綾と同等の好意を持てる唯一の男友達だった……!!!




「あのとき…それを言おうとしてたの?」
「…………。」
「……馬鹿だなぁ淳は、あの時僕がおかしくなってたの、目を見てればわかっただろ?何言ったって無駄だったのに…。」
「それも…俺の罰なら受けるしかないだろ。」

それを聞いて希は判った。
欲望に狂った自分を助けてくれたのは、紛れもなく淳だということに。
奈落の底に落ちてしまった自分を引き上げてくれたのは、淳だったということに。
それを無碍にした愚か者は…自分だということに…。


「ごめん淳…ごめん…ね…っ…!」

希は泣き崩れた。それは、淳の気持ちを知った希の後悔だった。

「なっなんだよいきなり。俺もお前も、互いに自分を許しただろ?」
「僕…淳を心から許してなかった…!まだ心の何処かで淳を恨んでた…友達なのに信頼できなかった…!!!」
「…しょうがねぇよ。火種は俺なんだから。」

淳は笑顔を作り、希の頭を撫でる。

「また…やり直したいね…。ムシの良い話だけど、最初から…せめてあの夏の日…僕らが三人で遊びに行った日に。」
「……そう…だな…。」
「淳と綾が仲良いからって、拗ねてた僕を叱りたい。待ってるだけで変わるほど、甘い世の中じゃない!って言ってやりたい。」
「俺は…いい気になって希をほったらかすなって言いたいな…あと自分を抑えろ。」
「はは…何それ…」

希の涙も程々に収まった頃。部屋にドアを控えめにノックする音が響く。
淳がどうぞと入室を了承すると、そこにいたのは―――





「……綾…?」
「綾!?」
「ひゃっ!」

希が椅子から勢い良く立ち上がったことと淳の驚いたように出した声が、ドアを開けた小柄な少年にも見える少女を驚かす。

「ししっ失礼しましたっ!!!まっ間違えてしまいましたでござるよいよいよさこいっ」
「待って綾!」
「何か激しく混乱してる綾!待てって!!」

あまりにも驚いてしまい、逃げようとした綾。
希は綾の首根っこ捕まえ病室に引きずり戻した。

「で、用は何?」
「あ、あの…ハンカチ…届けに。てかなんで私の名前を…?」
「わ…わた…!!」
「えっと…そうだ!僕ら近所なんだよ!君お向かいの片瀬綾ちゃんでしょ?」
「そうですけど…ん~…ごめんなさい。思い出せません…。私記憶喪失みたいで…。」

綾の声、綾の顔、綾の仕草。
それらはすべて本物で、淳に違和感をもたらした。

「あ、名前聞けば思い出せるかも…。」

綾がそう呟いたとき、二人は不意に、先程の会話を思い出した。

『また…やり直したいね…。ムシの良い話だけど、最初から…せめてあの夏の日…僕らが三人で遊びに行った日に。』
『……そう…だな…。』
『淳と綾が仲良いからって、拗ねてた僕を叱りたい。待ってるだけで変わるほど、甘い世の中じゃない!って言ってやりたい。』
『俺は…いい気になって希をほったらかすなって言いたいな…あと自分を抑えろ。』
『はは…何それ…』




やり直せる…かな。
希は考え、小さな声で呟く。
やり直そう。
淳は答えた。






そう、これは新たなスタートだ。
俺の罪は消えない。一生、絶対に。
でも、だからもう…俺は綾を傷つけない。
もし君が危険な目に遭ったなら俺が君を守ろう。
もし君が辛いのなら俺も一緒にその辛さを背負おう。
もし君を傷つける何かが君の目の前に現れたら、俺が何かを排除しよう。
それでももし、君が傷ついてしまったら…俺が君を癒してあげる。

だから
やり直しても…良いですか?
もう一度、側にいても…良いですか?















「僕は希、平高希。よろしくね。」
「…高梁淳だ。よろしくな、綾。」











血染め花嫁-三巴-開始





ずっと笑い合っていたかった

救ってほしかった

どうか、どうか

壊れた私を…僕を奈落の縁から引き上げて


そんな願いは届かなくて




僕はモウ戻レナイ…。










「……………………なに…これ…?」
「何って…ベッドシーン?」
「そういう事じゃないよ!なんで…なんで綾と淳が?なんでなんでなんでなんで!!?」

私の居場所が無くなっちゃう!
私の…僕の綾を取らないでっ!

「モタモタしてるからだぜ?希。」


綾は俺が好きなんだとよ。淳が言った。

「……………………ズルいよ……淳は……。」
「あ?」
「僕の欲しいものみんな持ってるくせに、綾まで取るの?その広い肩幅も高い身長も男らしい顔つきも…みんなみんな僕が欲しかったもの…何より僕は綾より大きくなりたかったけどなれなかったどうしてどうしてどうして神様は不公平だ何もかも淳に味方して僕には何も無しでずるいずるいずるいずるい…。」
「ズルいだ?何寝ぼけてんだお前。」

その言葉にはっとなる。
綾は既に横になり、所々にある紅い鬱血点を無防備に晒していた。

「ズルいのはてめぇの方だろ希。お前が一番近くにいた。いつもいつも近くにいた。俺なんかとは比べもんにならない位近い距離だ。生まれた時から近所のお前より途中から来た俺の方が思い出は少ないぜ?」
「時間なんて…関係ない。綾は淳と一緒だった。」
「まぁ、頭では同性だからな。三人とも、頭では同性だった。でも、体はまた別。綾は女で俺らは男。別に、綾を取り合うのは何ら不思議じゃない。」

もう、フリしなくても良いぜと淳は言った。











僕は性同一性障害ではなく、心も体も男だ。
僕は、綾が僕と遊びたいのを知っていた。生まれたときから一緒だったからその位は顔を見れば分かる。
でも綾は女の子で僕は男の子。幼い頃は一緒にいられても、小学校に上がる頃にはいつの間にか出来ているグループで分けられてしまう。



だから僕は、綾の傍にいるために演技をした。



女の子のような男の子、男の子のような女の子。そんなヘンテコな僕らはどのグループにも入ることなくいつも二人だった。

『あやちゃん』
『のぞむちゃん』
『綾ちゃん』
『希』
『綾ちゃん』
『綾』
『淳、希』

何時からだったか、淳が転校してきて僕と綾の間にいた。
淳はいつも独りだった。そんな淳に、綾は声をかけた。

はっきり言って、快くはなかった。
綾は僕のモノで僕だけの居場所。
いきなり他の知らない奴に邪魔をされた気分になって、嫌だった。
それは今になっても変わらなくて、僕と淳はライバル同士だった。
少なくとも僕はそう思ってた。


そう、あの日までは………。








「淳…明日、また改めて来るよ。その時までには綾を帰しておきなね。」
「分かってるって、今日は悪かったな約束破って。」
「僕は…そんなことを謝って欲しい訳じゃないよ。」

結局は逆恨みかもしれない。
もしかしたらこれは綾が望んだ結末なのかもしれないから。
でも僕は………素直に諦められない、認められない。
だから、ちゃんと話そう。
淳と二人で話をつけよう。
そうすれば、もしかしたら諦めがつくかもしれないから…………。











翌日
僕は時間通り、淳の家にいた。

「で、話って何だ?」
「…決まってるでしょ?僕らの関係について。」

不安定で今まで保っていたのが奇跡な位の危うい関係。
僕はもう、続けられないと思っている。
それを話すと、淳も同じ意見だった。

「無理だよな、男女間の友愛なんて。」
「いつかは愛情執着独占欲になっちゃうもんね。男はケダモノだから。」
「それは俺に対する嫌みか?」
「それ。僕はそれも聞きたかったんだ。」


僕が昨日から持つ疑問






「綾とのあれは…合意の上?」
「…………。」

淳は黙りだった。淳の持つ雰囲気が変わる。

「………………。」
「………簡潔に言う。…NOだ。」

僕の座る場所が、グニャリと歪、んだ気がした。
何か、が崩れ落、ちる音がす、る。

バリンッ

頭から思い出が消える。淳の笑顔が消える。綾の笑顔が…鏡の様に割れた。








「今は悪いと思っている。」
「綾は初めてだったし…凄く泣いてた。」
「俺は自分の欲望に勝てなかった。」
「綾を…傷つけた…!」

あぁ目の前の彼は何かを言っている。何を言っているんだろう?言葉の羅列が流れている。まるで煩わしいBGMの様。アヤヲキズツケタ?何を悲しそうに言っている、全部演技のくせに白々しい。昨日のあれが本性なんだ、あれがこいつの正体。僕と綾は騙されていたんだ。この悪魔に、騙されていたんだ!!!



「だからおれは」

「あやに」

おまえがそのなをよぶな綾がけがれるあんなに綾をよごしたくせにまだよごしたりないというのかこの×××××!!!!!!!

「こ―――――っ!?」



こんなやつ僕が―――
こんな下郎、僕が―――



この神器で駆除してやるっ!!!











それは簡単に行えた。
手に持っていた包丁で、腹部を刺す。
それだけの儀式。
爽快だった。
こうすれば綾を守ってあげられる。
僕の綾。害虫はもう直ぐ駆除できるから、そうしたら―――

「……希………淳…?」
「………綾。」
「なに…してるの?」



可愛い可愛い僕の綾、これが片ついたら―――笑っていてね?



血染め花嫁-希-完

やってしまった………!!!!!
次で最終回予定。一人で空回りしてます。うひっ!(何)
なんで私は一方通行にから回る愛が好きなんだろう?(自分の胸に手を当てて考えろや)



無理だと解っていた。

でも君は望んだんだ、だから俺は君の望みを叶えようと思うよ。


あぁでも



限界が、あったんだよ。









綾、綾、綾…

ずっと友達なんて、無理だったんだよ。
だって綾は“女”で、俺と希は“男”だ。
異性同士が一緒にいて友達以上にならないなんて、有り得ないだろ?


「なぁ淳。」
「ん~?」
「最近、変じゃないか?」
「何が?」
「…………希…が。」

やっぱりと思った。
本当にお前は友達思いだな…綾。

「あいつ何時も変だろ。」
「そうじゃなくて!……あの日…三人で遊びに行った日から…希が…線引いてる気がするんだ。電話にも出ないし…おばさんに訊いても…部屋に篭もってるって…。」

それはきっと、限界だったんだ。
希も、フリが疲れたんだだろう。
…14年か…長く保ったもんだよ。本当に。

「もう、潮時だろ。」
「…は?」
「なぁ…綾。俺さ、異性同士の友情なんて無いと思うんだ。だから、もう無理だろ。三人一緒なんて。近からず判ったことだ。希も判ったんだろ。無理だって」
「っそんな事無い!!!」

珍しいこともあったもんだ。あの綾が激昂した。怒鳴った。
綾の堪忍袋の緒はそう簡単に切れはしない。それは知ってる。
だからこそ、面食らったんだ。

「じゃあなんだったんだよ!今まで俺のしてきた事は!!なんで…!なんでだよぉ…!!友達で居られないなら…わざわざ男装なんてしなかった…俺だって普通でいたかった…“男であること”が定着して…もう戻れないんだ!!!!!!」

………そうか。
綾は別に、男になりたかったわけじゃなかった。



ただ、俺らと友達になりたかっただけだったんだ。



「綾…。」

嗚咽を漏らす綾の顔をそっと見る。


その顔は



今まで見たどの顔よりも、綺麗だった。




「なっ!淳!?」
「綾…!」

女の子よりかは体格がよくても、所詮女の子。俺には勝てない。

「じゅ…淳!止めろっ!やっ…!!悪ふざけは止せっ!」
「ふざけてなんか、ないよ。俺は綾が……。」

好きなんだ。欲しいんだ。
代替出来ない、唯一のヒト。

愛しているから、友達なんて無理なんだ………。








朝に、なってた。
今日は希を家に呼んでいる。早く綾を家に返さないとな…。
その綾は俺の腕の中で寝息をたててる。
そして、愛しい綾の中に、俺がいる。



なぜだか、虚しくなった。
嬉しい筈だ、体だけでも手に入れられた。心なんて結局あとからどうとでもなる。なのに…情事のときの綾の声が耳から消えない。

「(泣いてたな…。)」
「ん…。」
「あ…綾。」
「……淳…。」

ウサギの様な真っ赤な目が俺を見る。
昨日の悲愴感はなく、なんの感情もない目。

「あ…のさ…俺…忘れるから。」
「は…?」

忘れる?何を、どうして?綾が何を言ってるのか、理解できない。

「淳の気に障ったなら謝る。俺は淳を怒らせたんだろ?なら俺が怒る資格なんか無い。だから…このことは忘れる。」

プツン
何かが切れた音がした。
頭の中が真っ赤になって、言葉が勝手に滑り出して、止まらない。

「ふざけんな!忘れるだと?お前にとっちゃ忘れられる程度の事だってのか!?“友達”に強姦されて平気なのかよっ!!」
「ちがっ…違う!俺はただ…」
「あ、でも最終的にはお前もノってたなぁ?今も動かせばヨくなるんじゃねーの?」
「ひっ、あっ!やっ!待っ…はな…し聞け…っあ!」

少しだ。ほんの少し動かしただけで綾は反応する。
昨日の今日だから直ぐに熱が戻ってくる。綾の否定の言葉は既に無くなっていた。

「綾…好きだ…っ…。」
「俺…も…じゅ…が…好きぃ…!!」

その言葉は、希にも言うのか?
俺と希と、どっちが大事なんだろ…?

「ね…っ…綾は…俺と希…どっちが好き…?」
「そんなっのぉ…決めっらんないっ!」

そうだ。そうだった。
綾は、俺と希の友達になりたかっただけなんだったな。同じくらいか。

体の分だけ俺に片寄ってるけどな。







コンコン



「淳?私だよ、希。」

………希。
…相変わらず時間ぴったりだな。
それまでには綾を返すつもりだったのに…ついつい夢中になってた。



まぁ、いいや。



「のぞ…む?」
「その声…!綾ちゃんも居るの?淳入るよ。」



ドアノブが下に下がる。

ガチャリ



希が絶望するまで、後一秒………。



血染め花嫁-淳-完

やっぱり私にノーマルは無理でしたOTL
なんで長いうえこんな歪んだんだろ…?(自覚しろや)
淳はタガが外れて真っ黒になってしまいました。
さて希はどうなることやら…。



ホラーからはかなり遠のいたよ…。




俺は、信じていたよ。

二人は…信じてなかったのか?



俺たち、ずっと“親友”だよな…?







天気の良い七月。
大きな入道雲と青い空が、夏を演出していた。

「あっやちゃーん!!」
「て…希!その読み方で呼ぶなよ~!」
「なんで?可愛いじゃない!私はりょうよりはこの方が好きだよ?」
「てか俺には挨拶無しなわけか。綾ってばなんて冷たい子。」
「なんだよ淳、今からおはようって言ってやるから拗ねるな。」

俺は今日、幼なじみである淳と希とで遊びに行く約束をしていた。
時間通りに来た二人も、夏らしい格好をしている。

希はシンプルな白のワンピースに七分丈のパンツ。
淳は一緒に行ったロックコンサート帰りに買ったTシャツとボンテージパンツだ。
当の俺はというと……。

「ねえ綾ちゃん。」
「綾。」
「ん?」



「「なんで男装しているの?」」




VネックのTシャツとハーフパンツという格好だ。二人ともなにやら残念そうだが。

「あのね綾ちゃん、」
「りょうっ!」
「はいはい綾君、お前女の子なんだよ?判ってる?」
「そうだよ。もっと可愛い服あるでしょ?」
「希に言われても説得力ないと思うなぁ。」
「え~。私は綾ちゃんと同じだから綾ちゃんの気持ちわかるよ?それこそ、淳よりはね。」

性同一性障害。
だというものらしい。
心と体の性が一致しないもので、希も同じだ。

「あぁそうですねー。俺には解りませんよーだ。」
「あぁもう拗ねないのー。本当に淳は子供だね。」



俺は、この二人が好きだ。どっちかなんか決められない。
きっと俺らはずっとこのままなんだろう。
性別は違うけど、俺らは親友だ。
ずっと、ずっと、ずっと…





だけど







何処から狂ッテシマッタンダロウ…?




「……希………淳…?」


ドウシテ“希”が“淳”を―――しているの?

血染め花嫁-綾-完


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ホラーやってみようということで奮起した所絶滅したよあははは。
これは何も知らない人視点なのでいまいち内容が把握出来ないですがちゃんと淳編希編と書きますよ!頑張る!
因みに名前はあや、のぞむ、じゅんと読みます。あやの場合ちゃんはあや、君はりょうと読みますので!
今年のホラーはラブ入れてみました。しかもノーマルで。
私にしては珍しっ!!

さぁ頑張るぞっ!




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