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箱豆腐
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非公開
自己紹介:
病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

備考:最近ようやく世間慣れしはじめました。

早く大人になりたい一方子供で居たい矛盾で構成されてる。

内向的なので交友関係が狭く浅い。

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ずっと笑い合っていたかった

救ってほしかった

どうか、どうか

壊れた私を…僕を奈落の縁から引き上げて


そんな願いは届かなくて




僕はモウ戻レナイ…。










「……………………なに…これ…?」
「何って…ベッドシーン?」
「そういう事じゃないよ!なんで…なんで綾と淳が?なんでなんでなんでなんで!!?」

私の居場所が無くなっちゃう!
私の…僕の綾を取らないでっ!

「モタモタしてるからだぜ?希。」


綾は俺が好きなんだとよ。淳が言った。

「……………………ズルいよ……淳は……。」
「あ?」
「僕の欲しいものみんな持ってるくせに、綾まで取るの?その広い肩幅も高い身長も男らしい顔つきも…みんなみんな僕が欲しかったもの…何より僕は綾より大きくなりたかったけどなれなかったどうしてどうしてどうして神様は不公平だ何もかも淳に味方して僕には何も無しでずるいずるいずるいずるい…。」
「ズルいだ?何寝ぼけてんだお前。」

その言葉にはっとなる。
綾は既に横になり、所々にある紅い鬱血点を無防備に晒していた。

「ズルいのはてめぇの方だろ希。お前が一番近くにいた。いつもいつも近くにいた。俺なんかとは比べもんにならない位近い距離だ。生まれた時から近所のお前より途中から来た俺の方が思い出は少ないぜ?」
「時間なんて…関係ない。綾は淳と一緒だった。」
「まぁ、頭では同性だからな。三人とも、頭では同性だった。でも、体はまた別。綾は女で俺らは男。別に、綾を取り合うのは何ら不思議じゃない。」

もう、フリしなくても良いぜと淳は言った。











僕は性同一性障害ではなく、心も体も男だ。
僕は、綾が僕と遊びたいのを知っていた。生まれたときから一緒だったからその位は顔を見れば分かる。
でも綾は女の子で僕は男の子。幼い頃は一緒にいられても、小学校に上がる頃にはいつの間にか出来ているグループで分けられてしまう。



だから僕は、綾の傍にいるために演技をした。



女の子のような男の子、男の子のような女の子。そんなヘンテコな僕らはどのグループにも入ることなくいつも二人だった。

『あやちゃん』
『のぞむちゃん』
『綾ちゃん』
『希』
『綾ちゃん』
『綾』
『淳、希』

何時からだったか、淳が転校してきて僕と綾の間にいた。
淳はいつも独りだった。そんな淳に、綾は声をかけた。

はっきり言って、快くはなかった。
綾は僕のモノで僕だけの居場所。
いきなり他の知らない奴に邪魔をされた気分になって、嫌だった。
それは今になっても変わらなくて、僕と淳はライバル同士だった。
少なくとも僕はそう思ってた。


そう、あの日までは………。








「淳…明日、また改めて来るよ。その時までには綾を帰しておきなね。」
「分かってるって、今日は悪かったな約束破って。」
「僕は…そんなことを謝って欲しい訳じゃないよ。」

結局は逆恨みかもしれない。
もしかしたらこれは綾が望んだ結末なのかもしれないから。
でも僕は………素直に諦められない、認められない。
だから、ちゃんと話そう。
淳と二人で話をつけよう。
そうすれば、もしかしたら諦めがつくかもしれないから…………。











翌日
僕は時間通り、淳の家にいた。

「で、話って何だ?」
「…決まってるでしょ?僕らの関係について。」

不安定で今まで保っていたのが奇跡な位の危うい関係。
僕はもう、続けられないと思っている。
それを話すと、淳も同じ意見だった。

「無理だよな、男女間の友愛なんて。」
「いつかは愛情執着独占欲になっちゃうもんね。男はケダモノだから。」
「それは俺に対する嫌みか?」
「それ。僕はそれも聞きたかったんだ。」


僕が昨日から持つ疑問






「綾とのあれは…合意の上?」
「…………。」

淳は黙りだった。淳の持つ雰囲気が変わる。

「………………。」
「………簡潔に言う。…NOだ。」

僕の座る場所が、グニャリと歪、んだ気がした。
何か、が崩れ落、ちる音がす、る。

バリンッ

頭から思い出が消える。淳の笑顔が消える。綾の笑顔が…鏡の様に割れた。








「今は悪いと思っている。」
「綾は初めてだったし…凄く泣いてた。」
「俺は自分の欲望に勝てなかった。」
「綾を…傷つけた…!」

あぁ目の前の彼は何かを言っている。何を言っているんだろう?言葉の羅列が流れている。まるで煩わしいBGMの様。アヤヲキズツケタ?何を悲しそうに言っている、全部演技のくせに白々しい。昨日のあれが本性なんだ、あれがこいつの正体。僕と綾は騙されていたんだ。この悪魔に、騙されていたんだ!!!



「だからおれは」

「あやに」

おまえがそのなをよぶな綾がけがれるあんなに綾をよごしたくせにまだよごしたりないというのかこの×××××!!!!!!!

「こ―――――っ!?」



こんなやつ僕が―――
こんな下郎、僕が―――



この神器で駆除してやるっ!!!











それは簡単に行えた。
手に持っていた包丁で、腹部を刺す。
それだけの儀式。
爽快だった。
こうすれば綾を守ってあげられる。
僕の綾。害虫はもう直ぐ駆除できるから、そうしたら―――

「……希………淳…?」
「………綾。」
「なに…してるの?」



可愛い可愛い僕の綾、これが片ついたら―――笑っていてね?



血染め花嫁-希-完

やってしまった………!!!!!
次で最終回予定。一人で空回りしてます。うひっ!(何)
なんで私は一方通行にから回る愛が好きなんだろう?(自分の胸に手を当てて考えろや)


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