「燈縁君。お誕生日おめでとう。」
俺様の目の前には可愛い可愛いみほるちゃんがいた。
春色の、桜模様の長いフレアスカートに、白いハイネックのセーターが、みほるちゃんの可愛らしさを引き立てている。
「もしかして、寝てた?」
「いやいや全然寧ろずっと起きてた。」
「え?ちゃんと寝ないと駄目だよ。」
「大丈夫大丈夫。さっきまで寝てたから。」
「ふふ、変な燈縁君。」
今日もみほるちゃんは可愛い。笑い声も笑顔も最高に可愛い。
何より嬉しいのは、春休み中なのに俺様の家を訪ねてくれたことだ。俺様幸せ。
「そだ。私ケーキ作ってきたの。」
「まじで。」
「だから、一緒に食べよ?」
「おk。ちょっと部屋片付けてくる。」
「うん。」
誰もいないリビングに走る。台所も片付けないといけないし、テレビの埃も払わなきゃいけない。
何より換気。閉めっぱなしはマズイ、んだと思う。
普段はあまり使わないから、散らかってるんじゃなくて埃まみれだったりするんだけどな。
みほるちゃんが俺様んち来るのは初めてだし、念入りにやらねーとな!
「お待たせ!上がって上がって。」
「おじゃまします。」
一人で此処まで来るのは大変だっただろう。何せ分かりにくい場所にあるから、迷子にもなったんじゃないだろうか。
俺様は台所に立ってお茶を淹れようとした。けど、みほるちゃんに止められた。
「いいよ私やるから。燈縁君のために、美味しいお茶を淹れたいの。」
「やばいみほるちゃん俺様幸せ過ぎる。」
「だから座って待ってて、ね?」
「はーい。」
こんな彼女を持てた俺様は幸せ者だ。
「どうかな。樋口君に教わりながら作ったんだけど。」
「すっごく美味いよ!有難うみほるちゃん。」
「えへへ。」
照れ笑いも可愛いなぁ。
「樋口君って燈縁君の事なんでも知ってるんだね。」
「ひっでーんだぜあいつ。俺の事“エイプリルフールに生まれたから人間として生まれたのも嘘なんじゃないか?”って言うんだ。慰めてみほるちゃん。」
「そっか。よしよし。」
頭をなでなで。これは嬉しい。
「そだ、みほるちゃん今日はなんか予定ある?」
「えっと、今日は特にないけど…。」
「良かったらこのあとデートいかない?」
「んー…いいよ。行こう。」
ktkr。フラグ成立。
「じゃあ着替えてくるから待ってて。」
「うん。」
俺様は急いで自室に向かった。
やっぱこの間買った服がいいな。うん。
恋は盲目猪突猛進
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燈縁君は恋に関して盲目なので、みほるちゃんの不自然さに気がつきません←
飛鳥の発言はあながち間違いじゃないです。
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