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病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

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自分運営のお題サイトから引っ張ってきました。
チェシャネコ症候群については私も詳しくは知りませんが、ググッてみたところ
「病気なのに症状がない」又は「病気でないのに症状がある」というのが大多数の意見でした。
次点が「チェシャネコ症候群は造語である」という意見。
この話では前者の意見も後者の意見も使っております。ご了承ください。


ちなみに、私は造語派です←



「チェシャネコ症候群なんて、存在しないんだよ」


彼はそう言った。
分厚い本を捲りながら、目を通しているのかいないのか分からない眼球運動を繰り返している。


「不思議の国のアリス症候群、ていうのはあるけどね」


こうやって、彼は時々僕に話しかける。
お日様の気持ちいい午後。寂れた公園のベンチに、彼は座っているのだ。
僕はそれを狙って、いつもこの公園のこのベンチに来る。
彼といる時間は、僕の糧になっているんだ。


「不思議の国のアリスの作者であるルイス=キャロルは、この病にかかっていたらしくてさ。あの話は、ルイス=キャロル氏の体験を基に書かれたと言われているんだ。」


僕は本を読まないから、よくわからない。
そういえば今日は学校に行く日だった気がする。学校は、いいのかな?


「どうした?」


不思議そうな顔をして、彼は読んでいた本をどかし、僕の体を持ち上げて膝の上に乗せる。
ちょっとだけ、あの本に優越感を感じた。


「チェシャネコ症候群は、存在しない。」

「“病気でもないのになんらかの症状がでる”なんてのもあるけど…それを考えると、存在しないという観点からは、あながち間違いじゃないよね。」

「存在しない症状を起こす存在しない病気。」

「青薔薇の花言葉と同じだ。」

「青い薔薇の花言葉は“不可能”。自然とは生まれ得ない花の花言葉として、随分的確な表現だよね。」


…彼の話はとても難しい。
僕はとても眠くなってきてしまった。
温かい日差しと、僕の喉を撫でる手が、僕の体を撫でる掌が、眠気を煽る。
触れられた所が、心臓みたいにドキドキしていた。


「…おやすみ」


僕は結局、眠気に抗えずに彼の膝の上で丸くなる。
それでも、僕はまだドキドキしていたんだけど。



(ねぇねぇ!もしかしてこれが、君の言ってたチェシャネコ症候群ってやつなのかな?)

 

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