鉢雷書いてみた
地元は大雪です←
「雪だ」
君がそう言うのと僕の鼻に冷たい何かが当たったのは、ほぼ同時だった。
「知ってるか雷蔵」
「ん?」
「雪の結晶は、空の宝石なんだ」
「空の宝石?」
「空から降る宝石だ。」
あぁ、だから雪は綺麗なんだね。
チラチラ降り積もる雪は、宝石と言われてもまったく違和感無い。
「この宝石をこの手に取ることが出来れば願いが叶うんだ」
「おまじない?」
「私の作り話だがな」
君はそう言って宝石に手を伸ばした。
手の温度で、ソレは形を失い溶解する。
後にはただの水分が残された。
君はただソレを見つめる。
「どうかした?」
「…いや、これは無理だなと思ってな」
「…そうだね。人には体温があるから」
「それもそうだが」
私はこの手を離すことが出来そうにない。
君は僕の手を取り、握る。
生きてる温度を感じた。
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