忍者ブログ
路地裏から行く不思議な世界にご案内
内部検索
お探しですか?
カルテ
HN:
箱豆腐
性別:
非公開
自己紹介:
病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

備考:最近ようやく世間慣れしはじめました。

早く大人になりたい一方子供で居たい矛盾で構成されてる。

内向的なので交友関係が狭く浅い。

内部接続先一覧
拍手、詳しいプロフ、本館への道
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

※前提設定
・主人公幸也は特殊な血を持つ男の子
・吸血鬼のヴェルグ、狼男のガルシュダウト、悪魔のリースミアスによる逆ハー
・妖狐の狐太郎は友人
・妖狐の事情で本文中の表記は小太郎
・基本的内容は推して知るべし。エロはない








「…ねぇ幸也」

「何?小太郎」

「何この風景」


何と言われても、それはこっちが訊きたい。
人間の膝に頭を乗せる狼男と悪魔。
こんな取り合わせ、本でも見たことがない。


「あぁ、小太郎君。いらっしゃい」

「お邪魔してまーす」


部屋に入ってきたのは吸血鬼のヴェルグ。
他二人より明らかに友好的に僕の友人に接触してくれる。いい人…いや、いい吸血鬼だ。


「ユキ、小太郎くん、南瓜プリン食べるかい?」

「いただきます」

「ありがとうございますハーヴェストさん」

「ふふ、もうひとつ作っておいて良かった…所でユキ、そこで寝てる二人を起こしてもらえるかい?」

「あ、はい」


二人を軽く揺らして起こす。
寝ぼけ眼の黒い眼と金色の眼が僕を射抜いた。


「ユキ…」

「ゆー…」

「…おはようガル、リース」


二人とも起き抜けには必ずキスをしてくる。
口にしてこないだけまし、かな。


「…てか、なんでキスするの?」

「未来の嫁さんとのスキンシップは大事だろ」

「…ゆーが大好きだから…」

「ガルのお嫁さんって決まったわけじゃないから。リースも少し控えてほしいな」

「なんで?」

「僕はこういうスキンシップに慣れてないんだ。ビックリしちゃう」

「イギリスでは普通なのに…」


イギリスでは普通でも此処では普通じゃない。
そもそも最初は口にしようとしてたのをガルとヴェルグに止められたらしい。
…なんというか、自分の血に恐ろしさを感じた。





カラーレス・ブラッド
僕の血の通称だ。他にも透血とかいろんな呼ばれ方があるけど、一般的にはこう呼ぶ。
別に僕の血の色が透明と言うわけじゃない。僕の血は、正確に言うと遺伝子は超劣性なのだ。
ファンタジーな具体例で説明しよう。
人間と吸血鬼の交雑で産まれる子はハーフである。
しかし僕の場合少し勝手が違う。
吸血鬼、ひいては異種族との間に子供を作っても、その子供は人間にはならない。
つまり、僕の種族的な遺伝子は一切受け継がれないのだ。

彼らはそれを利用しに来たという。
僕の遺伝子を使って純潔種を増やしたいのだと。
理由は、ヴェルグたち妖怪が、純血種混血種という区別を明確につけたがる性質があるから、らしい。

好きでもない人間、しかも男と子作りしなければいけないなんて、災難な話だ。

と僕なら思う。しかしまぁ、何を間違えたのか彼ら三人は僕を惚れさせる勝負なるものを始めていた。
要は僕を最初に惚れさせた人が最初に…子作り権っていうのかな?を得られるわけだ。
そして今、こうやって熱烈アプローチ(笑)を受けている。
…もうなんか、ご苦労様、という感じである。


「ユキ、そんな優しく起こさなくても良かったのに」

「と、仰いますと」

「頭から落とすとか」


そんなんじゃ死なないしね。とヴェルグさんは呟く。
たまの黒い発言が恐いヴェルグさんだった。






「ユキー。早く口説かれろよー。俺短気なんだぜ?」

「ゆー。俺、ゆーのこと大好きだよ?」

「ユキ、ゆっくりで良いから。俺を好きになってね?」


そう言って僕を口説く三人。
…一人立ちするまで、彼らにほだされなければ、僕は此処から出れる。

確かに、例え本心からじゃなくても、こんだけ美形が揃って口説くんだ。
女の子だったら確実にアウトだ。

でも、ほら、僕男だし。
多分、万が一がなければほだされることは無いと思うんだ。


「はいはい。わかりましたから」

「軽くあしらうねー幸也も」

「そりゃあしらいたくなるよ。最初から体目当てって言われてるようなもんだもん」

「ふぅん…報われないねぇ、お三方も」


報われないとは、小太郎も不思議なことを言うなぁ、と思った。




PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[63] [62] [61] [60] [59] [58] [57] [56] [55] [54] [53]

Copyright 裏路地Alice All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material: Milky Way
忍者ブログ [PR]