爽やかな梅雨の谷間。
久しぶりの休日というのもあって、俺は妻の幸枝と共に散歩に出かけた。
用心に越したことは無いと、傘を持って。
歩き慣れた道を進む。後ろには幸枝が三歩下がってただ付き従っていた。
言葉など無い。必要もない。
言葉など逆に煩わしい。
不意に、幸枝の足音が消えた気がした。
けれど、振り返らない。
妻を―幸枝を心配し、振り返る俺を、幸枝は望んでなどいないから。
例え幸枝が泡となって消えていたとしても、俺は決して振り返りはしない。
顧みたりなど、しない。
壊れた傘を差し、俺は行く。
頬に、雨が流れた。
其処には返れない、帰らない。
俺は最後まで、お前の望む俺で居たいから。
カイン=ベルナール
あくまで執事な悪魔のような、何かに誇りを持ってる悪魔を、ということで武士道を貫く悪魔になった。
性格は極めて真面目。というより三兄弟の長兄という立場上、あまりはっちゃけられない子。多分三兄弟の中で一番不遇なのも彼だろう。
背筋はまっすぐ、凛としていてしゃんとしている。
武士道を学ぶために人間界に下りてきた。
現在は碓氷君を主人として人間界に居座っている。碓氷君宅の居候でもある。
碓氷君に対しての感情はあくまでも忠義。
初期設定では碓氷君の手違いで召喚され、願いを決めるまで碓氷君を守りつつ居座るという設定だった。
アベル=ベルナール
お兄ちゃんがカインなら、やっぱり弟はアベルだよねってことで名前は即座に決定。
基本的にカインとは対極に位置している子。
イメージ的にも凛としてる兄に対し、ゆるだらな感じ。今どきの草食系男子で、寝ぐせついてそうなイメージ。
名前の元ネタを考慮した結果、復讐というか意趣返しに猟奇マニアという後付け設定。
猟奇DVD集めのためと、人間界に来る理由が三兄弟中最もくだらない。
現在は枠原宅で同棲中。居候ではなく同棲。その辺は枠原との関係があるので。