初めて書いた6959、甘め。
例えるなら、それは毒薬だ。
止めたくても止められない、毒。
少しずつ、積っていく。
「恋って、そういうものですよね」
「あ?」
「…独り言です。」
言ってしまえば、恋とは即ちニコチンのようなものだ。
タバコの中毒性は最早ドラッグと相違ないだろう。(ニコチンというのは毒物で、本来は強い毒性を持つ成分だと、少し前に本で読んだ気がする。)
止めようとして止められるものではないし、こうやって彼と逢瀬を重ねることで自分に何かしらの影響、変化が出ている。
それが悪いことかと言われれば、そうとは思えない。
確かに僕はマフィアが嫌いで、彼はマフィアだ。それは今までもこれからも変わらないだろう。
でも、彼に向けるこの温かい感情は嫌いではない。
だから、僕は中毒になっても構わない。
愛という毒薬で殺されてもいい。
いつも傍にいないと気が済まないんですよ。
彼の上司や友人、先輩がどんな邪魔をしようとも、それだけは譲れないんです。
「隼人君」
「んだよさっきから…」
「キスして、いいですか?」
返事を待たずに彼の唇を奪う。
苦いタバコの味がした。
PR