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箱豆腐
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非公開
自己紹介:
病名:都会中毒、PC中毒、ゲーム中毒、妄想性

備考:最近ようやく世間慣れしはじめました。

早く大人になりたい一方子供で居たい矛盾で構成されてる。

内向的なので交友関係が狭く浅い。

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初めて書いた6959、甘め。


例えるなら、それは毒薬だ。
止めたくても止められない、毒。
少しずつ、積っていく。

「恋って、そういうものですよね」
「あ?」
「…独り言です。」

言ってしまえば、恋とは即ちニコチンのようなものだ。
タバコの中毒性は最早ドラッグと相違ないだろう。(ニコチンというのは毒物で、本来は強い毒性を持つ成分だと、少し前に本で読んだ気がする。)
止めようとして止められるものではないし、こうやって彼と逢瀬を重ねることで自分に何かしらの影響、変化が出ている。
それが悪いことかと言われれば、そうとは思えない。
確かに僕はマフィアが嫌いで、彼はマフィアだ。それは今までもこれからも変わらないだろう。
でも、彼に向けるこの温かい感情は嫌いではない。


だから、僕は中毒になっても構わない。
愛という毒薬で殺されてもいい。
いつも傍にいないと気が済まないんですよ。
彼の上司や友人、先輩がどんな邪魔をしようとも、それだけは譲れないんです。

「隼人君」
「んだよさっきから…」
「キスして、いいですか?」

返事を待たずに彼の唇を奪う。
苦いタバコの味がした。

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「楽しいかどうかは私の決めることじゃないわ。そうでしょ?君が楽しいと感じることが、私にとって楽しいかなんて、解らないもの。」

沢山の工具を引き摺って、魅礼ちゃんは言った。

「例えば、私は彼らが好きだけど君は好きでも嫌いでもない。好きでもない人がこれを理解出来るわけがない。実感できない訳なんだし。」

魅礼ちゃんは道具屋の娘だ。厳格な父と聡明な母、そして鎌や鋸、ドライバー等の農具や工具に囲まれて育った。彼女にとってそれらは兄弟の様なものだ。
だから彼女は道具の整備士をしている。腕も確かだ。
本人は“医者だ”と言っているけれど。


「魅礼ちゃんは、好きなんだね。兄弟が。」

「貴方は?」

「僕はねぇ、兄弟いないから判らないよ。妹みたいに可愛がってる後輩は居るけどね。彼女は友達の妹で僕の妹じゃない。」

「ふぅん。」


然して興味もなさそうな返事だ。多分本当に興味ないんだろう。
彼女が興味を示すのは、もっと別の事。


「じゃあね翔太君。不調があったら、また言ってちょうだい。」

「うん。」

「用途は何であれ、怪我しっぱなしは嫌だもの。」


僕の仕事に嫌悪を持たず、ただ淡々と仕事をこなす彼女が、僕にとっては貴重な存在だ。
可愛い後輩も、不思議な同輩も、その一人。
他の人はきっと、僕を嫌悪しこそすれ、好きになったりはしないだろう。


「魅礼ちゃん。」
「なぁに?」
「ありがと。」


だから僕は、改めてお礼を言った。彼女は薄く微笑んでいた。

「皆と行かないの?」

「俺、能力、非戦闘向き。それと、志願した。」

「自分から…?どうして?」


私の見張りなど、つまらないのではないだろうか。下手をすれば怪我するかもしれないのに。


「動く、嫌い。あと、扇香、一緒、逃げれる。」

「へ、一緒に?」

「俺、隊長、社長、感謝してる。でも、恩、感じてない。隊長、『別に恩は売ってないし、あいつに恩を感じる必要はない。好きなときに抜ければ良い。』言った。」

「けっこうドライなのね。」


森羅さんも、霞月さんも、ユユもそうだ。
この会社にはただ仕事以外には関係ないという感じ。
ビジネスライク、っていうのかな。


「皆、此処、嫌い。隊長、妹、人質。霞月、隊長、人質。ユユ、知らない。」


…つまり、森羅さんは脅されてる。その“社長”という人間に。
霞月さんは、森羅さんを人質にとられている。
ユユはわからないけど、兎に角嫌い。らしい。


「…リーシェンは?」

「どっちでもない。」

「…嫌いじゃないの?」

「…?」

「だってリーシェンは、森羅さんも、霞月さんも、ユユも好きなんでしょ?」

「…。」

「…自分じゃわからない?」


確かに、そういうものだ。
私も、ユユに言われるまで気がつかなかったけど、私はお兄ちゃんっ子なんだそうだ。
自分では自覚できないけど、確かにそうらしい。


「私には、リーシェンがみんなを好きなように見えるの。だから、みんなをイジめる社長が嫌いじゃないかなって。」

「…わからない。断言、無理。」

「…勘違いならごめんね。」

「多分、あってる、思う。扇香、嘘、吐かない。」

「それは買いかぶり。」


リーシェンは、私を誇大評価しすぎだ。
私だって嘘を吐く。あまり綺麗じゃない嘘を。


「…扇香、悪い嘘、吐かない。吐いた嘘、全部、誰かのため。」

「…そんなこと…。」

「能力、隠してたの、日常、壊さないため。」


違う。
あれは、私が弾かれないため。
化物に、ならないため。


「…。」

「なら、一緒、逃げる。」

「え?」

「気を遣う、止める。俺達、一緒、だから、気遣う、しなくていい。」


リーシェンは優しい。
こんな私にも、優しい言葉をかけてくれる。
こんな、臆病な私にさえ。


「…俺、優しく、ない。」

「…なん…で?」


私は驚いた。それは、答えや心を読んだからじゃない。
彼は、私に触れずに心を読んだのだ。
接触感応能力者にはそんなこと出来ない。


「…俺、能力、二つある。接触感応能力、精神感応能力。騙すつもり、なかった。ごめん。」


リーシェンは悲しそうに俯いた。
私は慌てて怒ってない事を伝える。
そうするとリーシェンは嬉しそうに微笑んだ。


「優しいの、扇香。俺、扇香しか、優しくできない。」

「そんなこと。」

「ある。俺、扇香、好き。」


いきなり抱きしめられて私の頭は混乱した。
男の子に抱き締められたことなんて、一度もなかったんだから。
拒絶出来なかった。嫌じゃなかったんだもの。
リーシェンは私に優しい。私の嫌がることはしない。
でも、コレは恋愛感情ではない気がした。


「リー…シェン…。」

「扇香…好き。」


リーシェンの端正な顔が迫る。
突然、ドアが乱暴に開かれた。



◇◆◇◆◇◆◇◆
上手に焼けました!時のちょっと前の扇香視点。

あらすじを説明しますと、ある事情で扇香は誘拐されて軟禁中。
森羅、ユユ、霞月、リーシェンは誘拐を指示した会社側の人間で、リーシェンは扇香に惚れた。
その会社というのが、超能力を使って権力を広めようとする会社で、その会社を潰すついでに、寿衣という少年が扇香を助けに、潰そうとやってきた超能力者にくっついて乗り込んだ。
という話。

行き場がないので此処に格納。



「燈縁君。お誕生日おめでとう。」

俺様の目の前には可愛い可愛いみほるちゃんがいた。
春色の、桜模様の長いフレアスカートに、白いハイネックのセーターが、みほるちゃんの可愛らしさを引き立てている。

「もしかして、寝てた?」
「いやいや全然寧ろずっと起きてた。」
「え?ちゃんと寝ないと駄目だよ。」
「大丈夫大丈夫。さっきまで寝てたから。」
「ふふ、変な燈縁君。」

今日もみほるちゃんは可愛い。笑い声も笑顔も最高に可愛い。
何より嬉しいのは、春休み中なのに俺様の家を訪ねてくれたことだ。俺様幸せ。

「そだ。私ケーキ作ってきたの。」
「まじで。」
「だから、一緒に食べよ?」
「おk。ちょっと部屋片付けてくる。」
「うん。」

誰もいないリビングに走る。台所も片付けないといけないし、テレビの埃も払わなきゃいけない。
何より換気。閉めっぱなしはマズイ、んだと思う。
普段はあまり使わないから、散らかってるんじゃなくて埃まみれだったりするんだけどな。
みほるちゃんが俺様んち来るのは初めてだし、念入りにやらねーとな!



「お待たせ!上がって上がって。」
「おじゃまします。」

一人で此処まで来るのは大変だっただろう。何せ分かりにくい場所にあるから、迷子にもなったんじゃないだろうか。
俺様は台所に立ってお茶を淹れようとした。けど、みほるちゃんに止められた。

「いいよ私やるから。燈縁君のために、美味しいお茶を淹れたいの。」
「やばいみほるちゃん俺様幸せ過ぎる。」
「だから座って待ってて、ね?」
「はーい。」

こんな彼女を持てた俺様は幸せ者だ。





「どうかな。樋口君に教わりながら作ったんだけど。」
「すっごく美味いよ!有難うみほるちゃん。」
「えへへ。」

照れ笑いも可愛いなぁ。

「樋口君って燈縁君の事なんでも知ってるんだね。」
「ひっでーんだぜあいつ。俺の事“エイプリルフールに生まれたから人間として生まれたのも嘘なんじゃないか?”って言うんだ。慰めてみほるちゃん。」
「そっか。よしよし。」

頭をなでなで。これは嬉しい。

「そだ、みほるちゃん今日はなんか予定ある?」
「えっと、今日は特にないけど…。」
「良かったらこのあとデートいかない?」
「んー…いいよ。行こう。」

ktkr。フラグ成立。

「じゃあ着替えてくるから待ってて。」
「うん。」

俺様は急いで自室に向かった。
やっぱこの間買った服がいいな。うん。



恋は盲目猪突猛進

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

燈縁君は恋に関して盲目なので、みほるちゃんの不自然さに気がつきません←
飛鳥の発言はあながち間違いじゃないです。





「今日は機嫌が良いから、昔話してやろーか。」

彼はそう言った。
彼の様子は、気配は、人間のそれではない。
それもその筈。彼は人ではない。それよりもっと上位の存在なのだ。
人ではない彼は、久しぶりに自身の依代である少女、囲籠女の自室にやってきていた。

「是非。」

籠女は心の底から喜んだ。
自由奔放な彼の意向、命令で身を引いたとしても、まだ12歳の少女。
何処かで構ってほしいと思う心が、籠女にはあったのだ。

「そうだな…じゃあ、ほんの少し前の話だ。ある村であった、メモの切れ端の様な話。」






『いってらっしゃい。気をつけね。』
『いってきまーす!』

少年が五つのときの話だ。
少年は夏のある日、カブトムシを採りに刹迅神社の裏手に有る森に行った。

『はぁ…っ…はぁ…っもうちょっと…ついたっ!』

刹迅神社は、夏になれば大きな縁日が開かれるが、普段はあまりに寂れた社だった。
社の中には奉られている神、鬼神の像が置かれている。

『ちょっとおやすみ…つかれた…っ!』

虫とり網を放り投げ、神社の階段に腰を下ろす少年。日陰になったその場所で、ひんやりとした空気が少年の肌を撫でた。

カンカン、と何か固いものが落ちて転がる音が、本堂から響いた。

『………?』

不思議に思った少年は中に、本堂に入る。
転がっていたのはビー玉だった。

『きれー…。』
『やろうか?』

声がした。少年とそう変わらない、子供の声だ。
その声は右からとも、左からともつかない所からしている。

『だれ?』
『それ、やろうか?』
『どこにいるの?』
『それ、やろうか?』

どんな問にも同じ言葉しか返さない声を、少年は不思議に思った。
恐怖を感じるには、少年はまだ幼かったのだ。

『…くれるの?』
『あぁ。』
『ありがと…。』

少年が言うと、声は笑った。

『なぁ、遊ばないか?』
『え、でもカブトムシが…。』
『じゃあそれでいい。一緒にカブトムシ、捕まえよう。』

ぎっ
床板が軋む音に振り向くと、後ろに少年と同い年くらいの子供がいた。
手には少年の虫とり網がある。

『お前、名前は?』

声は、問いかけたものと同じだった。

『…律紫。』




彼奴(槐)と律紫の出会い。

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